Choco60 を組み立てたので、そのビルドログを残しておきます。
初自作キーボード。
買ったものの詳細はこちらにまとめています。
遊舎工房から購入したChoco60の基板セット。
基板と外装アクリルプレート、ダイオード、Pro Micro などが入っています。
基本的には、これに加えてとキースイッチ(軸)、キーキャップ、USB ケーブル, TTRS ケーブルがあれば完成します。
電子工作に関する道具は一式所持していたので、追加で購入したものはありません。
最低限必要になるものを上げておくと、次のようなものです。
パーツの手配ができたら、作者の方のサイトで手順を確認しつつ、組み立てていきます。
まずは、ダイオードから取り付けますが、Choco60 では 62 個のキーがあり(60 は一般的なキーボードの 60% のキーボードであり、62 キーという意味ではない)、ダイオードを 62 個取り付けます。
はんだは 124 箇所付ける必要があるということですね。
はんだ付けする前に、基板の穴の間隔に合わせてダイオードを先に曲げておくと良いです。
リードベンダーという器具があるのでそれを使うと多少楽にできますが、わざわざ購入せずとも似たようなもので代用したり、直接穴に挿して曲げてしまっても支障はありません。
リードベンダー自体の使い方は以下のページがわかりやすいです。
ダイオードは、例えば抵抗なんかとは違って、電流の流れに方向(極性)があります。
なので、どちら側が+なのかーなのかが判別できないといけません。
中学や高校の範囲では、プラス/マイナス、陽極/陰極、正極/負極などと呼んでいたと思いますが、電子工作をしていると+をアノード、ーをカソードと呼びます。
ちなみに(砲弾型)LED は、足の長さでアノードとカソードを見分けます。長いほうがアノードですね。
ダイオードは、表現の違いはありますが、以下のように黒い線が入っている方(写真の左側)がカソードです。
Choco60 の基板の方には、ダイオードを配線するところに矢印が書かれていて、これがダイオードの方向を示しています。
回路図に書かれる記号と同じものですね'。
矢印の向きでプラスからマイナスへ、と覚えると覚えやすいです。
なので、下の写真だと、矢印が左向きなので、左がカソード(-)、右がアノード(+)です。
ダイオードは線が入っている方がカソードなので、左側に線がある方が来るように配線します。
向きに注意して、ダイオードを基板に差し込んでいきます。
基板の表と裏にも気をつける必要がありますが、矢印がプリントされている側からダイオードを差し込めば良いので迷わないと思います。
横に一列を挿したらダイオードをマスキングテープで固定して、裏返してはんだ付けする、とやっていくとやりやすいのではないでしょうか。
はんだ付けするときは換気をしながらやりましょう。
鉛フリーはんだでも換気はしたほうが良いです。
一通りはんだ付けしたら、余分な線はニッパーで切ります。
切ったあまりの線は勢い良く飛んでいくことがあるので、気になる場合はゴミ箱の中で切るとか、覆いをしながら切りましょう。
もし、たとえば、ダイオードを左右逆に付けてしまったのをはんだ付け後に気がついたりしたら一度外さないといけませんが、はんだはすぐに固まるので外しづらいかもしれません。
はんだを除去するための、はんだ吸い取り線やはんだ吸い取り器といったものがあるので、そういったもので対処しましょう。
続いて、TRRS ジャック、リセットスイッチを取り付けます。
基板の表裏に気をつけます。
ダイオードをはんだ付けした側(基板の裏面)から差し込んで、表面の方にはんだ付けします。
リセットスイッチは両側の端っこにあります。
TRRS ジャックの位置は若干わかりづらいかもしれませんが、はまる穴はそこにしかないので大丈夫でしょう。
キットに入っている Pro Micro にはピンヘッダが同梱されていますが、これは使用しません。
別途、キットに入っているコンスルーをピンヘッダとして使います。
一般的なピンヘッダははんだ付けをしないといけないのですが、コンスルーを使用するとはんだ付けしなくて済みます。
チップの取り外しが可能になるというところから、遊舎工房さんで採用されているようです。
基板の穴に接地するように端子がバネ状になっているのですね。
ということで、ピンヘッダ(コンスルー)は、基板に差し込むだけです。
説明書にもありますが、コンスルーは向きに気をつけて差し込む必要があるそうです。
コンスルーを基板に差し込んだら、その上に Pro Micro を載せます。
コンスルーは基板の裏面に挿します。
Pro Micro の向きにも注意します。
下の図のように Pro Micro の裏側が上になる(数字や TXD, GND などの文字がプリントされている面)ように挿します。
microUSB の端子が基板との間に挟まるのが正しい向きです。
一度裏表を盛大に失敗してはんだ付けしてしまっていて、泣きそうになりました。
設置したら、こちらは一つ一つはんだ付けします。
隣とはんだがくっつかないよう、頑張ってはんだ付けしましょう。
くっついても、温めればなんとかなります。
基盤の表面。
コンスルーを使ったので、はんだは付けません。
基板とチップの間に micro USB の端子が間に挟まるように。
下の写真の位置に取り付けます。
取り立てて難しいことはないですが、Enter は逆方向になります。
ここで基板の表面にアクリルパネルを取り付けます。
上から、 ネジ > アクリルパネル > 3mmスペーサー > 基板 > 5mm スペーサー
となるように組み立てます。
あまりきつく締めると割れそうな感じがしたので、注意が必要かもしれません。
私のものは締め方がまずかったのか、アクリルパネルがちょっと歪んでいる気がします。
ここまで来たら、残りはキースイッチを全部差し込んで裏面からはんだ付けすれば良いのですが、今回はキースイッチを交換できるようにということで、ベリリウム銅を埋め込むことにしました。
と、その前にキースイッチのルブという点にも触れておきます。
どうも、自作キーボードガチ勢は、キースイッチを分解して潤滑剤を塗り直すということをやるようです。
自作キーボード初心者なので、これをやるとやらないとでどれだけ差があるのかも分からない状態なので、今回私はやりませんでした。
キースイッチを交換できるようにしているので、暇を見つけてやって見ようかと思います。
さて、このちっちゃいやつを、一つ一つキースイッチの足にはめていきます。
キースイッチの足が曲がっているものがあったりもするので、そういうものは真っ直ぐになるよう修正しつつやると良いです。
はめるとこんな感じになります。
全部はめたところ。
キースイッチにベリリウム銅をはめたら、そのまま基板の表からキースイッチを差し込んでいきます。
裏面から見ると、こんな感じにベリリウム銅が顔をのぞかせている状態になります。
ここをはんだ付けしていきます。
参考までに、素の状態のキースイッチ(左)と、ベリリウム銅を付けたキースイッチ(右)。
はんだはベリリウム銅をの周りにしていきます。
くっついていれば良いので、必ずしも全体をまんべんなく付ける必要はないですね。
ベリリウム銅の中の方にはんだが流れないように気をつけましょう。
無事、はんだが付け終わると、基板にはベリリウム銅だけがくっついていて、キースイッチが付け外しできる状態になります。
※ 慎重にやりたい方は、この先の作業は動作確認をしてからやりましょう。ただ、致命的なことは何もなく、多少面倒というだけです。
ここまで来たら、もう基板を触ることはありません。
底にアクリルパネルを取り付けてネジ止めしてしまいます。
底にはクッションのゴムも貼ります。
サイドから見たところ。
ちょっとアクリルパネルが歪んでますね。
ネジの締め方が悪かったかも。
最後にキーキャップをはめておしまいです。
F
, J
に突起があるキーをちゃんとはめること、横の列ごとにキーキャップの形状が違うので注意すること、 Shift
や space bar
などのキーはちゃんとサイズを確認すること、くらいを気をつければ問題ないと思います。
下の記事にも書きましたが、購入したキーキャップのセットが、不足なくキーボードにはまるかはちゃんと確認して用意しないといけません。
事前に購入するときには正確な個数がいまいち分からず苦労しました。
ちなみに、私が今回購入したキーキャップとキー配列との割り当てはこんな感じになりました(特殊なキーのみ)。
上が購入したキーキャップのセットで、下が Choco60 の配列です。
キーキャップのセットは分離キーボードのためのものではないので、どうしてもスペースバーが足りません(というか、短いスペースバーは大抵含まれていない)。
なので、長さが同じ他のキーで代用することにします。
候補になりそうな余ったキーを並べるとこんな感じになります。
上から見るとどれを使ってもそんなにおかしくなさそうに見えますが、横から見ると結構形状が違うことが分かります(もう一面からの写真を取るのを忘れていた)。
なので、スペースバーは別途注文して確保するか、この中から良さそうなキーで代用するか、といった感じになります。
スペースキー側の側面の見た目。
既存のキーではめてみましたが、結構がたつきがありますね(キースイッチがちゃんとハマっていないところもあるかもしれない)。
ファームウェア書き込みは、作者の方のサイトにリンクがはられている default の設定の HEX ファイルを利用しました。
焼き込みは、以下のサイトがわかりやすいので、こちらを参考にしました。
少しハマった点があって、書き込みの際、全然反応がなかったのですが USB ケーブルが充電専用のものだったようで、データ転送できるケーブルに変更したら無事適用できました。
書き込みは左右それぞれ実行します。
書き込みが完了したら実際にすべてのキーが問題なく動作するか確認します。
HEX ファイルを自前で用意することで、好みの配列に変更できます。
そちらのログは以下に。
そんなこんなで完成しました。
ESC には以前遊舎工房さんに行ったときに購入していた肉球キーを付けました。
HHKB Professional2 と並べてみます。
ぱっと見は一緒ですね。
キーキャップの触り心地までは一緒というわけではないですが、そんなには変わらない感じです。
打鍵感の方は全然違いますね。
ピンク軸にしたので、とても軽いです。
多少時間と費用はかかりますが、自作の満足感が凄くあります。
選定から組み立てまでそれなりの時間をかけているので、すんなり完成してよかったです。
また、自分のキーボードを設計したくなる気持ちもわかります。
分割したことで、腱鞘炎や肩こりなんかがどうなるかは、しばらく経過しないとわからないとは思いますが、打鍵については違和感なくて安心しました。
HKKB の配列と同じという点がとても移行しやすくて良いです。
あとは、今回やらなかったんですが、ケーブルが邪魔なので無線化をしておきたいですね。
とりあえず、知りたいことは大体書いてあるんじゃないかという感じがします。
海外からパーツが届くまでの間に読んで意識を高めていました。